ALMEC / Planning & Management Consultant

2022年のトピックス

2022年12月

アジア太平洋カンファレンス2022において、タイ未来都市プロジェクトの成果を発表いたしました

2022年12月3日・4日、立命館アジア太平洋大学(APU)で開催されたアジア太平洋カンファレンス2022において、タイ国未来型都市持続性推進プロジェクトについて発表をする機会がありました。本会議は、世界中の研究者が研究の成果を発表する場として、毎年開催されています。
特別セッション“Urban Sustainability and Planning“の中で、「Empirical Planning Approach to Sustainable Future City Development in Thailand」として、「タイ国未来型都市持続性推進プロジェクト」の成果と教訓について発表をいたしました。
質疑応答では、本プロジェクトで実施したモデル都市の選定方法や、具体的に参加型開発をどのように取り入れたのか、さらに、持続可能な開発を行う上では、様々なステイクホルダーの意見を取り入れることが不可欠であることについて指摘がありました。【2022年12月】

セッションのページ(confit.atlas.jp)

関連業務エリア(海外02 都市開発計画/戦略)

公式サイトのバナー RCAPSの告知バナー

2022年11月

カンボジア交通安全プロジェクトで警察による交通事故捜査および交通取締の研修を実施しました

カンボジアで実施中の「カンボジア国幹線道路における交通安全改善プロジェクト」(JICA、2020年~)では、2022年10月にバッタンバン州にて、警察による交通事故捜査および交通取締の研修を実施しました。この活動の一環で、警察と道路管理者が連携して、交差点での一時停止を啓発する活動を行いました。研修前、カンボジアの警察は一時停止の取締/指導に懐疑的でしたが、実際にやってみて手応えを感じた様子です。また、警察以外の機関と連携した広報啓発活動の効果を確認し、今後の活動に加えたいという提案がありました。
これらの活動がカンボジアの新聞紙(Nov. 4, 2022 / Khoh Santhepheab News)に取り上げられました。【2022年11月】

関連業務エリア(海外05 公共交通整備/事業運営)

写真:一時停止違反者へ指導
一時停止違反者へ指導(DPWTおよびバッタンバン州警察)
写真:検問所での指導風景
検問所での指導風景

SDGsでも注目される交通安全を学びにアジア6カ国から行政官、警察官が来日しました

SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」には、「2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる」という、ターゲットが盛り込まれています。このターゲットは2030年まで継続中ですが、急速にモータリゼーションの進む国々では免許制度や安全教育が追い付いておらず達成が難しい課題の一つと言われています。
当社は、JICAが実施する交通安全に関する研修の運営を受託し、その一環として、2022年10月、日本の交通安全の取組みを学ぶために、タイ、カンボジア、バングラデシュ、ネパール、ブータン、東ティモールから道路行政官や警察官らが来日しました。日本は、以前は、現在の途上国と同様に、交通事故死者数の急増という社会問題に直面していましたが、様々な取り組みを経て、現在は交通安全先進国となっています。
研修では、県警や市役所、消防局や自動車学校等を訪問し、各機関による交通安全への取組みと、多様な関係者が横断的に連携をとるシステムを学び、また自転車の事故など日本でも新たな課題に取り組んでいる様子も紹介しました。本研修は、今後も継続して行われていく予定です。【2022年11月】

大阪市淀川区役所のツイート(Twitter)

関連業務エリア(海外05 公共交通整備/事業運営)

写真:今後のアクションについての発表会の様子
研修内容を踏まえた今後のアクションについての発表会
写真:大阪市淀川区役所訪問時の様子
世代別の交通安全活動をご紹介いただいた大阪市役所を訪問(淀川区役所のツイートより)

2022年9月

都市計画学会国際シンポジウムで「全世界COVID-19等感染症に対する都市環境改善プログラム形成準備調査(CUREIP)」の成果を発表しました

アジア太平洋都市計画学会国際会議(ICAPPS)2022が長崎大学で開催されました。
ICAPPSは、アジア太平洋地域の都市・地域計画に関する学術交流の促進を目的とし、日本都市計画学会、韓国、台湾、ベトナムの都市計画研究機関の共催により、1994年から開催されています。
ICAPPS2022のメイントピックは「Toward Inclusive and Resilient Cities(包括的で強靭な都市を目指して)」でした。この中で、当社は、特別セッション "Beyond Crisis: What should we do to overcome the crises?" への発表の依頼があり、2022年7月に完了したJICA調査「全世界COVID-19等感染症に対する都市環境改善プログラム形成準備調査」について発表をいたしました。
特別セッションでは、台湾、ベトナム、シンガポールからも発表があり、ディスカッションでは、ポストCOVID-19の都市アジェンダの鍵となるneighborhoodレベルの生活環境を、都市がどのように強化できるかについて有意義な意見交換を行いました。【2022年9月】

"ICAPPS 2022" の特別セッションのページ(confit.atlas.jp)

写真:オンラインでのディスカッション画面
オンラインでのディスカッション

現地レポート〜台北市の郊外を走る淡海LRTを試乗してきました〜

コロナ拡大後初めて、2022年8月に久しぶりに台湾に帰省しました。現地の様々な交通システムについて、専門家の目線から問題点があるかどうか、試乗してきました。
台北都心から15キロ離れた北側にある淡水では、政府が台北への一極集中を解消するために、奥淡水に郊外のベッドタウンとして淡海ニュータウンを30年前に計画し用地を整備し始めました。その後、20年ほど開発が進まず、不毛の土地のままでしたが、10年ほど前から、区役所の移転と都市開発を推進する政策によって、たくさんのマンションが建てられてきましたが、人口増加は期待されていたほど増えていませんでした。そのため、政府は、交通アクセスを改善するために、淡水のメトロ駅から淡海ニュータウンをLRTで繋ぐこととし、2018年12月に淡海軽軌(淡海LRT)が開通しました。

写真:淡海軽軌(淡海LRT)の駅の様子 写真:淡海軽軌(淡海LRT)の車内の様子

2022年8月に改めて乗ってみました。路線の総延長は14kmですが、一部無架線で路面を走り、信号を待ちながら交差点も通りながら、一部高架橋で電車のように専用路線を走る、混合型のLRTです。自家用車側はLRTが路面を通る状況に慣れていないため、LRTとの衝突事故がたまに発生すると聞いています。
淡海LRTは、PRとして有名なイラストレーターとコラボし、何台かの車両にキャラクターを設置しています。ピーク時は通勤者が立っている中で、キャラクターが席を譲る気もなく座っているのは、とても珍しい風景だと思います。

台湾では近年鉄道ブームになっており、各都市で都市鉄道整備が進んでいる中で、どのように自家用車やバイクを含む私的交通からの転換を進めるかが課題となっています。台湾の人口は日本の約五分の一ですが、交通事故による死傷者数は日本と同じ程度だと言われています。私もできる限り安心・安全の公共交通を利用し、台湾の公共交通の発展を期待したいと思います。【2022年9月】

海外事業本部 李 晨瑋

関連業務エリア(海外05 公共交通整備/事業運営)

写真:淡海LRTの座席に設置されたキャラクター

2022年8月

タイ国の日本大使が未来都市プロジェクトのモデル都市"チェンライ市"を訪問しました

2022年7月、タイ国の日本国大使が、「タイ未来型都市持続性推進プロジェクト」(JICA、2015年~2021年)のモデル都市の一つ、チェンライ市を訪問し、チェンライ市長と共に、プロジェクトの成果を視察いたしました。
チェンライ市のモデル都市プロジェクトでは、「高齢者による地域教育を通じたまちづくり」をテーマに、持続可能な未来都市計画を策定し、その中から、高齢者大学のカリキュラムの充実、市内の地域教育サイト(キリチャイ山)の改善や学生キャンプを、パイロットプロジェクトとして実施いたしました。
モデル都市としての活動は2018年に完了していますが、チェンライ市はその成果を基に、様々な取組を続けており、今回も、市長自ら、その成果と今後の展望が述べられました。市政府の高いオーナーシップによって、日本の支援を最大限に活用された優良事例となっています。【2022年8月】

チェンライ市のページ(Facebook、タイ語)

関連業務エリア(海外02 都市開発計画/戦略)

写真:チェンライ市長、梨田在タイ国日本大使、森田JICAタイ事務所長及び高齢者大学の方々
チェンライ市長、梨田在タイ国日本大使、森田JICAタイ事務所長及び高齢者大学の方々
写真:チェンライ市によるタイ未来都市プロジェクトの成果の説明の様子
チェンライ市によるタイ未来都市プロジェクトの成果の説明

ネパール・カトマンズ盆地の交通マネジメントの改善に取り組んでいます

ネパール・カトマンズバレーは約290万人の人口を抱え、交通渋滞、交通安全等の複数の問題に直面しています。JICAは、これらの問題を解決することを目的に、2022年から「カトマンズ盆地における都市交通マネジメントプロジェクト」を開始し、適切な交通信号管理システムの導入による交差点の改善や、関係機関へのトレーニングや教育を通じた交通安全の推進に取り組んでいます。
カトマンズバレーの交差点の主な特徴として、交差点の間隔が狭いこと、信号機の多くが故障していることが挙げられます。また、信号は常時黄色に設定されており、警察が手動で交通整理をしているため、非効率な運用となっています。
主な公共交通機関は、バス、マイクロバス、乗合い自動車等があり、ライドシェアアプリケーション「Pathao」も人気です。一方、バイクの利用者も多く、後部座席でのヘルメット着用が規定されていないため、ほとんどがヘルメットなしで同乗しています。加えて、歩道は歩行に適しておらず、特に高齢者、子供、障害者にとっては大変不便です。
本プロジェクトは3年間にわたって、信号や交差点の改良を含む都市交通マネジメント計画を策定するとともに、交通に関する教育・訓練によって行動変容を通じて交通安全に取り組みます。当社はおもに交通安全を担当し、様々な活動を行うことを予定しております。【2022年8月】

詳しいレポート(英文)【PDF】

関連業務エリア(海外05 公共交通整備/事業運営)

写真:パイロットプロジェクトを実施するガウシャラ交差点
パイロットプロジェクトを実施するガウシャラ交差点
写真:ヘルメットを着用しない後部座席同乗者
ヘルメットを着用しない後部座席同乗者

カンボジアで実施中の交通安全プロジェクトがJICAの広報誌に取り上げられました

カンボジアで実施中の「カンボジア国幹線道路における交通安全改善プロジェクト」(JICA、2020年~)が、JICAの広報誌(JICA Magazine)に取り上げられました。
交通安全の原則である「3つのE」、「Engineering(道路改良)」「Enforcement(交通取り締まり)」「Education(交通安瀬教育)」の観点から、様々な活動に取り組んでいます。【2022年8月】

JICA Magazineウェブサイトのページ

関連業務エリア(海外06 道路交通安全・交通管理)

写真:交通取締の現地視察風景
交通取締の現地視察風景(バッタンバン州)
写真:交番の視察
交番の視察(コンポンチュナン州)

2022年7月

現地レポート~オランダにおけるポストコロナの交通~

○これはポストコロナだろうか?
2022年5月、セルビアで実施中のプロジェクトの一環として、第三国研修でオランダの都市を訪問する機会があった。空港、鉄道駅、バス停、といった公共空間は、見渡す限り地元住民と観光客で溢れており、マスクもせず、距離もとらず、会話を自由に楽しみ、感染予防策はほとんど取られていなかった。まるで、それがヨーロッパで決められている規則とも見え、アジアとヨーロッパでは、パンデミックに対する規範に大きなギャップがあることを感じた。アジアの国がこだわりすぎているのか?あるいは、ヨーロッパがのんびりし過ぎているのか?
○自転車のまち、アムステルダム
アムステルダムでは、車にはねられるより、自転車にはねられる確率が高い」という面白い言葉がある。アムステルダム市は、10年以上前から、市街地での自家用車の利用を減らす政策をとっており、公共交通機関や自動車以外の交通手段(徒歩、自転車、オートバイなど)の利用率が非常に高い。市は自転車所有者への補助金を出したり、より良い行政サービスを提供するなど、環境に優しい自転車利用に対して感謝の意を表している。
○自慢のトラムシステム
ヨーロッパの多くの都市がそうであるように、トラムは最も自慢できるシステムであり、昔からかけがえのないものだとも言われている。トラムは日常生活の一部のように扱われ、驚くべきことに、トラム車線と歩道は完全に混在しており、その間のバリアがほとんど存在しない設計になっている。トラムの線路沿いで、ピクニックを頼む人々の姿も見られた。 【2022年7月】

海外事業本部 ノベル・デオ

詳しいレポート(英文)【PDF】

写真:地下鉄駅の駐輪場
地下鉄駅の駐輪場
写真:トラム車線と歩行者
トラム車線と歩行者

2022年6月

イタリアの三都市で第三国研修を実施しました

「セルビア国ベオグラード市公共交通改善プロジェクト」(JICA)では、ベオグラード市における公共交通機関の計画や運行管理を管轄するベオグラード市公共交通管理部(以下、SfPT)の公共交通の運行管理能力の向上に向けた取組の一環として、欧州先進国における全四回の第三国研修を計画及び実施しています。
第二回となるイタリア研修では、ローマ、フィレンツェ、ナポリの三都市を訪問し、自治体公共交通局や自治体の委託を受けて公共交通の運行を行う事業者による講義を受けた後、実際の運行現場を視察しました。
ベオグラード市では、自動車の増加による大気汚染が問題となっており、公共交通の改善が必要とされていますが、公共交通の無賃乗車も課題となっています。同様の課題に悩まされてきたイタリアの三都市における、支払い方法、乗降方法、改札に関する工夫や、都市全体における私的交通を含めたモビリティ全体の再検討及び計画について様々なヒントを得ました。
今後は、研修で得たヒントを踏まえながら、SfPT含む複数のカウンターパートとの議論を継続し、公共交通の改善計画の策定を進めていきます。【2022年6月】

関連業務エリア(海外05 公共交通整備/事業運営)

写真:フィレンツェの街中を走るトラム
フィレンツェの街中を走るトラム
写真:ローマの玄関口であるローマテルミニ駅
ローマの玄関口であるローマテルミニ駅
写真:ナポリの街の成り立ちと地下鉄の導入に関する講義を受ける研修員
ナポリの街の成り立ちと地下鉄の導入に関する講義を受ける研修員

2022年4月

コラム〜街中に溢れる違法駐輪に思う〜

先日、歩道にLUUPが放置駐車されているのを見ました。LUUPは本来なら決められたポートに停めなくてはいけません。
LUUPに限らず、街中は違法駐輪で溢れています。ガードレールに立てかけられた自転車、樹木に括りつけられた自転車、建物と建物の隙間に突っ込むようにして停められた自転車など…。
こうした違法駐輪を可能な限り減らすために、放置駐輪禁止区域を定めたり、大規模な駐輪場を整備したり、利用者のマナーやモラルの啓発などがされています。これらは都市空間の秩序を保つために行われていることで、最低限必要なことだと思います。
しかし、新しいモビリティが次々と開発されており、移動のあり方も変わりつつある今、新しい議論も必要なのでは、と思います。
街中に溢れる違法駐輪は、裏を返せば、都市空間に自転車を受け止める場所が少ないために、自転車(利用者)が自ら居場所を見つけている状態と捉えることもできます。放置駐輪禁止区域でも便利だからとお店の前に停めてしまう。誤解を恐れずに言えば、これはもう仕方ないことだと思います。人間は面倒くさがりの生き物で、そういう数値化しにくい人間らしさを考えたときに交通環境はどうあるべきなのか。また、気軽に乗れて、ドアトゥドアで移動できる自転車の長所を最大限活かすためにはどうしたらいいのか。例えば、

○建物の建替や道路の改修時に駐輪ラックを組み込む
○自転車を立てかけられるガードレール
○乗ったまま建物の中に入っていける etc.

自転車を例にとりましたが、新しいモビリティについても同様で、それらを受け止める道路や建物はどうあるべきなのか。新しいモビリティの特徴や長所、人間の根源的な欲求を捉えながら、考えていきたいです。【2022年4月】

国内事業本部 永島 奨之

コラム〜LUUP(電動キックボード)体験記〜

図:写真:街中に溢れる違法駐輪の様子1 写真:街中に溢れる違法駐輪の様子2
街中に溢れる違法駐輪

Traffic congestion in the City of Ulaanbaatar, Mongolia~

2021年8月に、JICA「ウランバートル市における運輸・交通インフラ整備情報収集確認調査」のメンバーとして、初めてモンゴルを訪れました。本調査は、ウランバートル市の交通状況を把握し、その課題解決に向けた提案を行うことを目的としています。
ウランバートルの市内の交通渋滞は深刻な状況にあり、大気汚染の原因の一つにもなっています。現地調査では、1時間近く渋滞で動けなくなることもありました。市内の道路網は、十字の形状をしており、主要道路であるPeace AvenueとNarnii Roadは、慢性的な渋滞に見舞われています。
ウランバートルの交通渋滞の原因として、自家用車の利用が非常に多いことが挙げられています。タクシーはなく、個人の配車サービスが、さらに交通量を増やしているとも言われています。バス優先レーンが整備されていますが、違反車両によって占拠されていることも多いです。
本プロジェクトで行った交通需要予測の結果では、ウランバートル市の交通は、このまま放置すると、さらに悪化することが見込まれています。Ananya ROY

交通状況を改善するために、バス専用レーンの導入、交差点の改良、立体交差の整備等の提案を行っており、これらの事業が実施されることが望まれています。【2022年4月】

海外事業本部 ロイ・アナーニャ

詳しいレポート(英文)【PDF】

図:ウランバートル市の主要道路図(衛星画像ベース)
ウランバートル市の主要道路
写真:市内の交通渋滞の様子
市内の交通渋滞

2022年3月

感染拡大抑止策を取りながら現地での技術支援も大切にしています

バンコク首都圏鉄道新マスタープラン(M-MAP2)策定能力向上プロジェクトでは、COVID-19の拡大による影響で渡航が自由にできない中、オンラインの協議を続けてきていますが、現地へ渡航できる時期を活用し、カウンターパート機関である鉄道局や、その委託を受けたコンサルタントの対面での協議も行っています。
オンラインでの協議では、細かな作業内容の確認や、複数のメンバーでの認識の共有には難しい面があり、十分に理解を得られない部分がありましたが、対面での協議を行うことで、改めて、必要な作業について理解を得ることができました。
COVID-19拡大後、様々なオンライン会議ツールが普及したことにより、遠隔での頻繁な協議が可能になったというメリットもありますが、やはり、細かな図面や数字の確認、作業手法の確認を行う上では、対面の方が遥かに効率的かつ効果的であり、現場での支援の大切さを、タイ側、日本側ともに、改めて認識いたしました。
限られた現地への渡航の機会を最大限に活用し、技術支援を行っていきたいと考えます。【2022年3月】

プロジェクトのページ(JICAウェブサイト)

関連ビジネスエリア(海外03 都市交通計画/政策)

写真:DRTとDRTコンサルタントとのオンラインでの協議の模様
DRTとDRTコンサルタントとの協議

現地レポート~メコン河を運行するフェリーと橋梁プロジェクト

ベトナム南部のメコンデルタ地域は、稲作やエビ・魚の養殖など内水面漁業が盛んで、ベトナムの食糧生産・輸出において重要な地域となっています。その反面、古くからベトナム・カンボジア・タイによる抗争地であり1970年代後半にはカンボジアのポル・ポト政権からの侵攻を受けるなど衝突が多発しました。それらの影響もあり、他の地域と比べ開発・成長が遅れています。
メコンデルタ、と呼ばれるように、この地域は、中国・ミャンマー・ラオス・タイ・カンボジア・ベトナムの6ヶ国を流れる国際河川であるメコン河の河口に位置し、数多くの河道が縦断しています。河を渡る手段としては2基の橋梁を除くとフェリーしかありません。同地域の約4万平方キロ、人口1,800万人という規模を考慮すると明らかに不足しています。
主要なフェリー港において現地調査を実施したところ、フェリー利用者の大半がオートバイ、自家用車、トラックなど乗物とともに乗車していました。一度の便で輸送できる車両数には限りがあるため積み残しが常態化し、運が悪いと1時間近く待たされてしまうこともあるようです。現在の利用者数は橋をつくる程には多くありませんが、橋梁の建設により地域の産業開発が活発化し、経済発展が大きく進むことが期待されています。
橋梁整備を通じた地域経済の発展に係る方策の検討・提案についても、わが社の都市・交通コンサルタントとしての知識・経験が求められています。【2022年3月】

海外事業本部 太瀬 隆敬

関連ビジネスエリア(海外07 国際/広域交通計画)

写真:メコンデルタ地域 メコン河を運行するフェリーの様子
メコンデルタ地域 メコン河を運行するフェリー

タイ交通管制プロジェクトでは、設置した信号制御機器の稼働状況の確認調査を実施しました

バンコクで実施中の「モデル地域交通管制システムの構築を通じたバンコク都渋滞改善プロジェクト」(JICA)では、昨年から、バンコク中心部のパイロットプロジェクト地域に、ATCシステム構築に向けた機材の設置を進めています。すでに、信号制御器、超音波式車両感知器や、画像式車両感知器の設置は、工事請負業者によって完了しています。
2022年3月9日、バンコク都(Bangkok Metropolitan Administration, BMA)と日本人専門家チームは、工事請負業者とともに、これらの路側装置の領収検査を、パイロットプロジェクト内にあるT字交差点である、Phaholyothin通りのSoi2交差点で実施しました。具体的には、路側装置の電源システム、GPSからの時刻の受信、感応制御動作の確認、CCTVの動画処理、超音波式車両感知器の動作について、適切に機能しているかの確認を行いました。なお、これらの路側装置は、まだ、光ファイバーケーブルネットワークに接続されていないため、管制センターとは独立した運用となっています。
検査の結果、全ての路側装置は想定通り機能していることがわかりました。次回の受入検査は、BMAの交通運輸局(Traffic and Transport Department)に設置される管制センターのATCシステムの機能の確認を予定しています。【2022年3月】

プロジェクトのページ(JICAウェブサイト)

関連ビジネスエリア(海外05 公共交通整備/事業運営)

写真:本プロジェクトで新たに設置した信号制御装置(右側)の動作を確認する様子
本プロジェクトで新たに設置した信号制御装置(右側)の動作の確認
写真:画像式感知器による車両検知状況を画面上で確認する様子
画像式感知器による車両検知状況を画面上で確認

2022年2月

現地レポート~カイロ・イスラーム地区~

「全世界COVID-19等感染症に対する都市環境改善プログラム形成準備調査」(JICA)では、2022年1月から2月にかけてエジプト・カイロで現地調査を実施し、パンデミックを踏まえた今後の都市の在り方について、都市開発・都市計画を担う現地政府機関等と議論を交わしました。
今回は調査の一環として、イスラーム建築史・都市史が専門の深見奈緒子先生(日本学術振興会カイロ研究連絡センター長)に同行いただき、世界文化遺産にも登録されているカイロ歴史地区(イスラーム地区)の視察も行いました。世界有数の大都市の中心部に中世の建物が残る町並みが広がり、コロナ禍であっても地元の方で溢れかえる光景からは、圧倒的な歴史の蓄積と、今も昔も変わらないこの地区の唯一無二の価値を感じました。
しかし、カイロ歴史地区では建物や町並みの劣化が進んでおり、UNESCOは国に対し2021年に勧告を発出しています。エジプト政府は、歴史地区を含む既成市街地の高密度化を緩和すべく、カイロ東西に広がる砂漠にNew Urban Communityと呼ばれる新都市群を開発し、住民や都市機能の移転を図っています。歴史ある地区をどう保全していくか、既成市街地の住環境をどう改善していくか、新たな都市開発をどう進めていくか、こうした都市の課題や動向に寄り添いながら、今後都市が目指す方向性を見いだせればと思います。【2022年2月】

海外事業本部 伊藤 智洋

現地行政機関との会議の様子(現地メディアサイト/アラビア語)

関連ビジネスエリア(海外02 都市開発計画/戦略)

写真:カイロ・イスラーム地区の様子1 写真:カイロ・イスラーム地区の様子2
カイロ・イスラーム地区

2022年1月

タイ未来都市プロジェクトが、タイ国の国際協力機構のFacebookページに紹介されました

「タイ国未来型都市持続性推進プロジェクト」(JICA/2015~2021年)では、タイにおいて国際協力を担うタイ国際協力機構(Thailand International Cooperation Agency, TICA)のインタビューを受け、その様子がTICAのFacebookページに掲載されました。
インタビューでは、プロジェクトの成果とモデル都市での活動から得た教訓を共有しました。プロジェクト自体は2021年12月をもって終了しましたが、TICA等によりプロジェクトの成果がタイにおける多くの地方都市に広げられることが期待されます。
インタビュー動画は以下のリンクからご覧いただけます。ぜひご覧ください。【2022年1月】

TICAのプロジェクトのページ(Facebook)

関連ビジネスエリア(12 都市開発計画・戦略)

写真:TICAのインタビューを受ける当社長山の動画画面
TICAのインタビューを受ける当社の長山(Facebook)