ALMEC / Planning & Management Consultant

2023年のトピックス

2023年10月

キガリ都市交通改善プロジェクトの本邦研修を実施しました

JICAで実施している「キガリ都市交通改善プロジェクト(日本工営株式会社と当社の共同企業体)」では、10月10日から20日にかけて、九州を中心に訪日研修を行いました。この研修では、北九州、福岡、および長崎の都市交通の事例を取り上げ、交通政策に関する深い知識と理解を得ることを目指しています。当社は、本プロジェクトで「公共交通計画・管理」部門を担当していることから、以下の2つの機関を訪問し、都市交通の現状や事業の詳細について学びました。

西日本鉄道株式会社
日本で最も大規模なバス会社の一つであり、1日に3,000台以上のバスを運行しています。研修では、西鉄バス研修センターとアイランドシティ営業所を訪問し、バス専用レーンの導入、運転士の研修、停留所での情報提供、新しいモビリティサービスの導入といった先進的な取り組みを学びました。キガリ市でもいくつかの取り組みが進行中であり、その実務に関する課題や取り組みについての実際の声を直接聞くことができました。

北九州高速鉄道
北九州市が100%出資する法人で、都市モノレール(小倉線:小倉駅 - 企救丘駅)を運営しています。キガリ市にもモノレールの整備計画が存在するため、行政担当者からの関心が特に高く、運営方法、中央管制制御、軌道や車両の維持管理など、多岐にわたる部門を見学しました。特に「上下分離方式」というモノレールの整備方法は、研修者にとっては新しい概念であり、詳細な説明が求められました。【2023年10月】

関連業務エリア(海外04 都市と交通の一体開発計画)

写真:視察の様子
西鉄アイランドシティ・車両デポ視察
写真:視察の様子
北九州モノレール試乗
写真:視察の様子
北九州モノレール・車両デポ視察

宇都宮のLRT「ライトライン」に乗ってきました

宇都宮駅東口に出ると、ガラスを主体とした屋根付き歩行者デッキでバス乗り場とライトライン停留所に降りていけます。デッキの上から眺めていると、東口の建物の陰から稲光(雷銀座と言われる栃木県)をイメージした黄色と黒の車体がRを描きながら、ゆっくり、かつ、静かにホームに入線してきました。長いノーズも相まって、いいデザインだなと感じました。

写真:停留所に入線・停車するLRT 写真:停留所に入線・停車するLRT
停留所に入線・停車するLRT

ホームと車体との隙間や段差はほとんど無く、軽度の障害であれば車椅子で一人でも乗り降りできるのではないかと思います。
ドアの内側、下段に乗車用のICカードリーダーが、上段に下車用のICカードリーダーが設置され、ICカードをタッチして乗り降りします。現金で乗車の場合は、停留所にある整理券発行機から整理券を取得し、車両の最前部と最後部に料金箱が設置されており、これで料金を精算するとのこと。

写真:ホームとの隙間・段差
ホームとの隙間・段差
写真:車内とドア横のカードリーダー
車内とドア横のカードリーダー

車内はやはり、黒と黄色を配色していますが、天井が白基調の色となっており、大きな窓と相まって明るいイメージに仕上がっています。シートはクロスシートが主体となっていますが、連結部付近に若干ロングシートが設置されています。
ただ、このクロスシートは車輪との関係か、シート下に空間が無い上、シート間が狭いことから、向かい合わせの人がお互いに足をずらさないと、座れない状態です。また、車両中央の通路部はドア部より若干高いため、ドアに向かって傾斜しており、その脇で微少な段差ができていることも気になります。

写真:車内はほぼ満席 足が収まらない
ほぼ満席 対面シートは足が収まらない
写真:ドア脇の微小な段差
出入口脇の微小な段差

乗り心地は、静かかつ揺れもほとんどなく快適でした。座席はほぼ満席状態で、私は5つめの電停まで乗車しましたが、立っていてもバランス崩すこともありませんでした。最後尾に乗ると運転席を眺めることができ、鉄ちゃんにはたまらないシチュエーションではないでしょうか。

写真:運転席の計器等
運転席の計器等

電停は基本的に信号のある交差点の、交差点を通過したところに設置されています。これは、対向車線の右折レーンに相対する部分を利用するためです。このため、信号との連携ができない場合、信号で停車し、停留所に停車するというパターンになり、利用客としてはちょっとイライラするかもしれません。
平日の午後でしたが、道路の渋滞はほとんどなく、少なくとも自動車通行部分が一車線減少している割には、自動車交通とLRTが共存できているように見えます。ただ、朝夕のラッシュ時を見ていないのでなんともいえませんが。
信号機には、LRT専用が併設され、オレンジ色の矢印信号が表示されています。免許取得の時に教習所で習ったなあと思いつつ、詳細は忘れていることに気がつきました。

写真:路上軌道部の電停
路上軌道部の電停
写真:LRT用が追加された信号機
電車用が追加された信号機

実は、弊社では2018年にLRT沿線のまちづくりを地域の企業が集まって検討するワークショップの運営業務を担当していました。当時、地域の企業の皆さんとLRT開通後に向けて、様々な意見を交換したことを思い出します。LRTからのフィーダー交通をどうする、鬼怒川を生かした観光の推進、工業団地を観光活用、駅東口に屋台村、カフェのある電停などなど、当時の議論のまとめを見ると、今後の沿線まちづくりがどの様に進んで行くのか、懐かしさと期待が交錯します。
その第一弾となるのでしょうか、当時餃子屋村があった東口には、PPPによりライトキューブ宇都宮(交流拠点施設)を中核とする、建物群が完成していました。

写真:宇都宮ライトキューブ
宇都宮ライトキューブ
写真:東口歩行者デッキ
東口歩行者デッキ

ライトキューブ宇都宮の2階には、カフェや餃子の「みんみん」、お土産コーナー、栃木の酒を中心に取り扱う酒屋などが出店しています。この酒屋では、栃木の酒飲み較べセット3種類60ml1,200円で楽しむことができます。この日は、全部で9種類松の寿、仙禽、鳳凰美田、辻善兵衛など、銘酒が並んできました。私は、時間がなかったので、カキ味噌をあてに、ビールを一杯、この日は暑かったので体に染み入りましたね。
こうした地元のいいものを、楽しめるスペースがライトライン沿線にできて、地産地消で地域が賑わっていってほしいと思います。【2023年10月】

国内事業本部 木村 晃郁

写真:
みんみんの餃子セット
写真:
酒屋と角打ちカウンター

2023年9月

ビッグデータ活用インタビュー記事が掲載されました(at ブログウォッチャー)

アルメックでは、モバイルビッグデータを用いた分析も行っています。たとえば、モバイルビッグデータの位置情報を使うと、コロナ前後の駅前の人流の変化を可視化することができます。これを踏まえて駅前の活性化のために重点的に取り組むべきエリアを示すなど、交通に限らず、まちづくりの仕事にも活かすことに取り組んでいます。
先日は、モバイルビッグデータを提供していただいている株式会社ブログウォッチャーさんにお招きいただき、取り組んだ結果やデータの扱いで苦労したことなどを、内山・小島で発表させていただきました。オンライン開催ながら、質問もたくさんいただきました。モバイルビッグデータの活用方法について、多くの方が関心を持たれていることが感じられるセミナーでした。
大変好評なセミナーだったそうで、株式会社ブログウォッチャーさんのウェブサイトに記事としても掲載いただきました。ぜひご覧下さい↓。【2023年9月】

セミナーレポート(ブログウォッチャーのウェブサイト)

関連業務エリア(国内02 地区のまちづくり計画)

写真:委員会後の集合写真
セミナーレポ−トのカバーページ

第15回アジア交通学会国際会議に参加しました

2023年9月4日から7日にかけて、マレーシア国のクアラルンプールにおいて第15回東アジア交通学会(EASTS Eastern Asia Society for Transportation Studies)国際会議が開催され、当社から数名が参加しました。
EASTSは 東アジア地域各国の参加を得て、1994年に設立された国際学会です。国際会議が95年以降、2年に1度の頻度で開催され、アジア地域で交通分野を専門とする産官学関係者が、技術・情報交換などを目的に多数参加しております。今回は750名が参加し、574本の論文の口頭・ポスター発表が行われました。
EASTSは、当社の業務内容と非常に関りの深い学会です。筆者は2015年以降、毎回参加しておりますが、今まで業務を通じて知り合った方々と再会する場として、楽しみにしております。今までのつながりを深め、また新たなつながりを広げる良い機会ととらえ、会社内でも、積極的に参加するよう奨励しています。
今回、弊社からは以下の論文発表が行われました。【2023年9月】

海外事業本部 太瀬 隆敬

関連業務エリア(海外10 調査・研究・評価)

2023年7月

パラオ国環境配慮型交通システム整備プロジェクトの第1回合同調整委員会が実施されました

JICAパラオ国環境配慮型交通システム整備プロジェクトの第1回合同調整委員会(JCC)が2023年6月に開催されました。 JCCには、パラオと日本の主要関係者が集まり、①島内の交通課題への対応の必要性、②持続可能なモビリティの確保を目的とした路線バスサービスの試験導入、③環境配慮型の公共交通マスタープランの策定等について協議が行われました。
会議の中で、メトゥール大臣は、車を持たないパラオ人が直面する交通問題を指摘し、二酸化炭素排出量削減に対する政府の取り組みの重要性を強調しました。 同氏は公共交通機関としてバスの利用を奨励し、プロジェクトの成功には日本の技術協力が極めて重要であることも併せて強調しました。
本プロジェクトは2023年5月に開始され、3年間上記の①~③の活動を実施予定です。
なお、本JCCの様子は地元新聞社3社がその内容を記事として紹介するなど、現地の関心の高さも伺われました。【2023年7月】

関連業務エリア(海外08 環境管理計画/政策)

写真:委員会後の集合写真
第1回合同調整委員会後のフォトセッション
写真:プロジェクト概要の説明を行う当社の関
関によるプロジェクト概要の説明

バンコクATCシステムのオープニングセレモニーを開催しました

JICAで実施中の「モデル地域交通管制システムの構築を通じたバンコク都渋滞改善プロジェクト」において、2023年6月26日、本プロジェクトで構築したモデル地区における面的交通管制(ATC)システムのオープニングセレモニーを開催しました。式典はチャチャート・シティプン バンコク知事が議長を務め、バンコク首都圏庁(BMA)、タイ王国警察(RTP)、その他の交通関連機関、研究機関やメディアなど120人以上が参加し、会場の様子は、複数のメディアに取り上げられました。
このATCは、交通渋滞というバンコクの差し迫った課題の解決を目指す取組として、知事を始め現地関係者の注目を浴びています。本プロジェクトでは、ATCシステムのパイロットプロジェクトとして、ラマ6世通り、ラチャウィティ通り、パホ--ンヨーティン通り、プラディパット通りに囲まれた地区にATCを導入し、その効率性と有効性の検証を進めています。
チャチャート・バンコク都知事は、バンコクの交通管理を変革するこのプロジェクトの意義を強調し、日本大使館とJICAの協力に感謝の意を表しました。知事はさらに、すべての住民の利益のために、より効率的で住みやすい都市を作るという意思を強調しました。
警視庁の副総監であるジラサン・ケォセンエェク首都圏警察 副長官は、ATCシステムは交通信号管理の負担を軽減するだけでなく、交通警察が交通取締りなどの重要な業務を遂行する時間を確保することにつながるという見解を示しました。
日本大使館の田坂拓朗公使は、日本とタイの強力な二国間協力関係を強調し、日本の技術がタイの交通渋滞の緩和や持続可能な都市開発にプラスの効果をもたらすことを話されました。
JICAタイ事務所の鈴木和也所長は、このプロジェクトの実現に向けたJICAとタイのパートナーとの実りある協力関係を取り上げ、交通状況の改善、温室効果ガスの排出削減、ひいてはバンコク市民の生活の質の向上におけるATCシステムの重要性を強調しました。
このATCシステムは、交通を効率的に処理することで、交通混雑の緩和と移動時間の短縮に貢献し、より持続可能で住みやすい都市の実現が期待されます。パイロット・プロジェクトの成果を踏まえて、バンコク市と交通警察が連携し、ATCシステムをさらに拡張計画を検討することとしています。 【2023年7月】

プロジェクトのページ(JICAウェブサイト)

セミナー会場からのライブ動画(Facebook)

関連業務エリア(海外06 道路交通安全・交通管理)

写真:会場の様子
会場の様子
写真:説明を行うJICA専門家チームの松岡氏
モデル地区に導入したシステムについて説明を行うJICA専門家チームの松岡氏
写真:関係者の集合写真
集合写真

ルワンダ キガリ市における公共交通改善に係るパイロットプロジェクト

ルワンダの首都キガリ市では、2013年以降、バス交通の再編が行われています。事業者間の競争を避けるため、市内は4つのゾーンに分割され、6つの事業者がバスの運行を担当しています。しかし、老朽化した車両やオートバイタクシーの台頭などにより利用者数が減少しており、バス事業の改革が求められています。
「JICAキガリ都市交通改善プロジェクト(日本工営株式会社と弊社の共同企業体)」では、公共交通および既存の交通ネットワークにおける交通流管理の政策、施策、計画の整備を通じて、公共交通利用の促進と都市交通の向上に貢献することを目指しています。私たちは「公共交通計画・運用」として参画し、公共交通改善に向けたアクションプランの策定支援を行うとともに、以下のパイロットプロジェクトも実施しています。

オープンデータ整備
キガリ市内のバス路線をGoogle Mapやその他の地図アプリに反映させる取り組みを行っています。Googleが定義したGeneral Transit Feed Specification(GTFS)のフォーマットに従い、バス路線の情報を整理・提出し、Googleの審査を通ると、情報が公開され、Google Map上の乗換案内に表示されるようになります。現在、Royal Express社のバス路線のGTFSの実装を行いました。近日中に全路線のGTFS化を計画しています。

ダイアグラム運行
キガリのバスは定められた運行スケジュールがなく、運転士は乗車率がある程度になるまで発車せず、休憩も個人の判断で行っています。そのため、全体の運行管理が困難であり、運行間隔に偏りやバラツキが生じています。また、運行遅れといった概念が存在しないため、バスの運行効率やサービスレベル、収益性に課題があります。キガリ市政府はバス路線の改善に向けて定時運行を導入することを目指していますが、実施には大きなハードルが予想されます。
そのため、私たちはダイアグラム運行の導入に向けた活動を行っています。ダイアグラム運行では、運転士に対して起終点や折り返しの発車時刻や運行回数を事前に指示し、遅れが生じた場合も必要な法定休憩時間を取り、原則的にパターンや運行回数を維持しながら運行する形式です。これにより乗務時間や退勤時刻も把握できるため、全体的な運行効率が改善され、収益性も向上することが期待されます。
ルワンダの習慣や就労環境を考慮すると、日本で採用されている方式をそのまま導入することは難しいため、現地の事業者や政府と協議を重ねながら、現地化に向けた取り組みを進めています。【2023年7月】

関連業務エリア(海外04 都市と交通の一体開発計画)

スクリーンショット:GTFS実装後のGoogle Mapsの経路検索結果
本プロジェクト内で実装したGTFS(出典:Google Maps)
写真:ダイアグラム運行に係るトレーニングの様子
ダイアグラム運行に係るトレーニング

2023年6月

交通安全セミナー "ベトナム交通社会の飲酒運転ゼロを目指して" をハノイで開催しました

「飲酒運転防止をメインとした事故防止支援(機器運用及び教育支援)案件化調査(中小企業支援型)」(JICA・東海電子㈱)の一環として、2023年5月30日、ハノイ市ホテルデュバルク(旧日航ホテル)において交通安全セミナーを開催しました。
現在ベトナムで大きな社会問題となっている飲酒運転による交通事故の防止への取り組みを促進するため、JICAの委託による調査の成果発表を踏まえ、官民連携した今後の取り組みについて検討することを目的として、本セミナーを開催しました。
パネリストとしてベトナム側からは人民警察アカデミー(PPA)警察科学研究所(PSI)、国家交通安全委員会(NTSC)、アルコール検知器の運用と飲酒教育プログラムのパイロットプロジェクトを共同実施したハノイ市公共バス事業者トランセルコ(TRANSERCO)、日本側からはアルコール検知器協議会(J-BAC)を招き、東海電子㈱・JICA調査団による成果報告や日本の事例紹介を踏まえ、将来のベトナムにおける飲酒運転による交通事故防止をどのように進めていくかについて活発な議論が交わされました。
参加者はベトナム政府機関、ハノイ市、ベトナム運輸事業者、日系企業(医療、物流、商社、金融)、大学、研究機関などから68名(主催者側含む)を数え、盛会となりました。
セミナー後、政府機関の参加者からは「ベトナムでは飲酒運転防止にむけた各種の取り組みの土台となる政策づくりがまず必要」といった意見や、民間企業の方からは「飲酒運転の危険性の理解が深まった」などの貴重なコメントを多数いただきました。このセミナーが飲酒運転による交通事故撲滅に向けた日本とベトナムの産官学による連携の出発点となることを期待しています。【2023年6月】

JICA(ベトナムオフィス)のFacebookページ

関連業務エリア(海外06 道路交通安全・交通管理)

写真:セミナー会場の様子
セミナー会場
写真:発表する東海電子(株)杉本代表取締役
東海電子(株)杉本代表取締役による発表 (photo by Mekong ASEAN)
写真:発表する東海電子(株)杉本代表取締役
東海電子による開発中の運行管理AIロボット等、飲酒運転防止のための製品展示
(photo by Mekong ASEAN)

当社会長 岩田がホーチミン交通大学の35周年講演会で基調講演を行いました

2023年5月16日、ホーチミン交通大学は35周年記念講演会を開催し、各業界の専門家が招待されました。当社の会長(元代表取締役)である岩田鎭夫は、長年ホーチミンの交通セクターに従事した実績が、現地の学術界や政府機関にその実績を高く評価されていることからも、本講演会の基調講演に招かれ、「ベトナムにおける高速鉄道整備への新たなアプローチ」について講演を行いました。
岩田は、高速鉄道のフィージビリティを再確認するとともに、既存の鉄道サービスやインフラを維持・改善しながら、新たな高速鉄道を整備する新たなアプローチを提示しました。このアプローチは、既存の鉄道行政の枠組みの変更は、最小限で済むことが想定されています。
一方で、ベトナム政府としては、北部区間、南部区間に関わらず、それぞれ400㎞区間があることからも、負担は大きく、実現にはかなりの時間を要すると認識しています。岩田は、ダナンからフエをつなぐ、中部地区の70㎞区間を対象とした、10年間コンセプトを提示しました。これによって、二大観光拠点であるダナンとフエの移動時間を3時間短縮することができ、特にダナンにおいては、公共交通志向型開発(TOD)を促進することにもつながる、と説明しました。【2023年6月】

(公社)日本都市計画学会・表彰委員会のページ

写真:基調講演の模様
岩田による基調講演
図:高速鉄道70kmの新しいコンセプト
高速鉄道70kmの新しいコンセプト

2023年5月

当社の城所哲夫が日本都市計画学会国際交流賞を受賞いたしました

当社の海外事業本部総合計画部 参与 城所哲夫が、公益社団法人日本都市計画学会国際交流賞を受賞いたしました。
日本都市計画学会国際交流賞は、長年にわたって都市計画の国際的交流に携わり海外諸国との交流並びに啓発普及と人材育成に貢献した者(外国人・日本人)を対象に毎年、同学会が表彰を行っております。【2023年5月】

(公社)日本都市計画学会・表彰委員会のページ

写真:表彰式典の様子
表彰式典

2023年4月

ベオグラード市と日本の公共交通分野における協力に関するパネルを展示しました

「ベオグラード市公共交通改善プロジェクト」(以下、本プロジェクト)では、ベオグラード市公共通部(以下、SfPT)と協力して、市内公共交通サービスの改善に向けた様々な取り組みを行っています。
日本によるベオグラード市への公共交通分野における協力は、20年前の「ベオグラード市公共輸送力復旧計画」まで遡ることができ、本プロジェクトを含めて、日本は変化し続けるベオグラード市における公共交通に関する課題に対して、継続的な支援を行ってきました。これらの一連の支援を紹介すると共に、市民に公共交通により親しみを持ってもらえるように、ベオグラード市内の憩いの場であるKalemegdan Park(カレメグダン公園)で、パネル展示を行っています。
本プロジェクトでは、市内公共交通サービスのさらなる改善に向けて、SfPTと連携を継続していきます。【2023年4月】

プロジェクトのページ(JICAウェブサイト)

関連業務エリア(海外05 公共交通整備/事業運営)

写真:展示されている広報パネルの様子
カラメグダン公園で展示されている広報パネル
写真:写真:視察の様子2
パネルの一枚

タイM-MAP2プロジェクト(JICA)の第1回本邦研修を実施しました

「タイ国バンコク首都圏都市鉄道新マスタープラン(M-MAP2)策定能力向上プロジェクト」(JICA)の一環として、4月3日から4月14日の実質8日間の期間に、第1回の本邦研修を実施いたしました。本プロジェクトのカウンターパート機関である鉄道局から、Pichet Kunadhamraks局長や、戦略計画部のRuendej部長を含む15名のスタッフが来日いたしました。
研修では、需要予測を始めとする大量高速輸送機関マスタープランの作成に関する講義を有識者から受けるとともに、東京メトロやJR東日本、宇都宮LRTをはじめとする鉄道事業者を訪問し、鉄道事業だけでなく、虎ノ門ヒルズ駅や、高輪ゲートウェイ駅における駅周辺のまちづくりについても視察を行いました。東葉高速鉄道の視察では、東京メトロ東西線の相互乗り入れを体験するとともに、八千代緑が丘駅周辺のまちづくり(八千代市)や、船橋日大前駅周辺のまちづくり(UR都市機構)についても学びました。
最終日には研修で学んだことを踏まえながら、鉄道局としての今後の課題について、DRTのスタッフやPichet Kunadhamraks局長から発表を行いました。参加した研修員からは今回の研修を通じて、これまで講義を通じて学んできた日本の鉄道事業や都市との一体的な開発について、視察を通じて理解が深まったことが高く評価されました。【2023年4月】

プロジェクトのページ(JICAウェブサイト)

関連業務エリア(海外03 都市交通計画/政策)

写真:スタッフ一同と集合写真
桜の下での集合写真
写真:写真:視察の様子2
改良された虎ノ門駅のホームでの視察
写真:写真:視察の様子3
高輪ゲートウェイ駅の開発状況の視察

現地レポート〜コートジボワール・アビジャンの交通渋滞を体験して〜

「全世界ITS実務課題別研修実施及び動向調査」の一環として、1年目はコートジボワール国アビジャンを対象として、現地の交通状況とITS実態を2023年3月に2週間わたり調査しました。コートジボワールは西アフリカでナイジェリアとガーナに続き経済力を持つ国で、フランス語圏においても大きな影響力をもっています。通貨は西アフリカ8か国で共通しているCFAフランです。
アビジャンは都市化に伴って、交通渋滞が深刻な問題になっています。通勤ラッシュでは、片道が大混雑になっている一方、反対側はがらがらで車が走り放題の別世界です。また、アビジャンでは島が多く、島を繋がっている橋がボトルネックになっています。公共バスと乗り合いバスがありますが、タクシーの数が圧倒的に多く、どのように利用者を公共交通にシフトさせるか、現地政府と各国のドナーが力を入れています。JICAの他にも、世界銀行、アフリカ開発銀行、フランスAFD、中国政府、アメリカのMillennium Challenge Corporation等が、様々な交通プロジェクトを実施しており、特に都市鉄道の建設が期待されています。道路建設も民間主導のPPP案件が多く行われています。有料道路ではETCが設置されても現金で払う傾向があるようですが、関係者によると、ETCレーンを増やすことにより、利用者はどちらが便利か自ら判断して、転換する人も増えています。
また、交通渋滞の中、水、果物、リモコン、おもちゃ、地毯までも売り込んでいる人が多くみられました。交通混雑の一つの原因とも言えるのですが、事故リスクの高い労働環境の下でも稼がなくてはいけない彼らの状況を考えると、交通計画とは、交通渋滞の改善と安全の確保のみならず、社会配慮として彼らの生活を支える仕事の考慮も求められてきます。
交通インフラのハード面を充実させるだけでなく、ソフト面としてITSの導入や、交通安全の推進も不可欠だと感じました。特に人々の交通行動や意識の変化には時間がかかることから、なるべく早い時期に取り組み始める必要があると感じます。【2023年4月】

海外事業本部 李 晨瑋

関連業務エリア(海外03 都市交通計画/政策)

写真:アビジャンの道路事情1
通勤ラッシュの片道交通渋滞
写真:アビジャンの道路事情2
世交通渋滞の中に商品を売り込む人々
写真:アビジャンの道路事情3
ETCゲート標識

2023年3月

タイ交通管制プロジェクトでは12名のカウンターパートが来日し、本邦研修を実施しました

「モデル地域交通管制システムの構築を通じたバンコク都渋滞改善プロジェクト」(JICA)の一環として、バンコク都(Bangkok Metropolitan Administration, BMA)交通局6名、タイ国首都圏警察(Metropolitan Police Bureau, MPB)6名が来日し、本邦研修を行いました。当初は、2020年2月に実施予定でしたが、新型コロナ感染症蔓延のために中止となり、3年ぶりに実施することができました。
2月28日から3月6日までの実質8日間の中にわたり、埼玉県警をはじめ、道路管理者である横浜市や首都高速道路株式会社、交通信号や管制システムの整備やメンテナンスを担う民間企業等を訪問する共に、実際の交通管理や信号制御の視察も行いました。さらに、Probeデータの活用や、高度な技術を用いた交通管制システムに関する視察も行い、今後のバンコクへの適用可能性について議論を行いました。
最終日には、研修で学んだことを踏まえながら、バンコクにおける面的制御システムでのITSの活用、そのために必要なアクションについて、BMA、MPBそれぞれ発表を行いました。
参加した研修員からは、今回の研修を通じて日本の交通管制システムや交通管理の考え方や、高度な技術の活用についての理解が深まったこと、JETとの議論を通じて、バンコクへの適応可能性を常に議論できたことが、高く評価されました。また、バンコク都の交通管理・交通管制を改善していく上では、信号や交通施設を整備する主体であるBMAと、その運用を担うMPBの連携が不可欠ですが、今回の研修はその両者が共に課題を共有し、議論をする貴重な機会であったことが、BMA、MPB共に述べられました。【2023年4月】

プロジェクトのページ(JICAウェブサイト)

関連業務エリア(海外05 公共交通整備/事業運営)

写真:埼玉県警交通管制センターへの視察の様子
埼玉県警交通管制センターへの視察
写真:講義の合間のBMA、MPBとJETとの議論の様子
講義の合間のBMA、MPBとJETとの議論

2023年2月

現地レポート〜ブルネイの交通事情〜

「ASEANにおける道路交通安全対策共同調査提案事業」(国土交通省)の一環として、2023年1月、ブルネイで現地調査を行いました。ブルネイは三重県ほどの面積に約45万人が暮らす、東南アジアの小さな国です。石油・天然ガスに恵まれ、2021年の1人あたり名目GDPはUSD32,573(世界33位)と高く、国民は医療費、教育費、各種税金が免除されています。
ブルネイの人々は自動車に大きく依存した生活を送っています。2022年の100人あたり自動車台数は62.8台と多く、1人1台所有している世帯も少なくありません。ブルネイでは政府がガソリン代の一部を補助しており、飲料水よりガソリンの方が安いという声も聞かれます。世界最大の水上集落と言われるカンポン・アイールの住民の多くも、陸上の無料駐車場に自家用車を持っています。山がちな地形に都心部、商業地区、政府業務地区が分散している都市構造も、自動車利用に拍車をかけているものと思われます。
一方、まちを歩いていて道路を横断しようとすると、信号がなくても自動車が停まってくれることが良くありました。ブルネイ人の穏やかで他人を思いやる性格の現れかもしれませんが、歩行者の安全を守る文化が醸成されているのだと感じました。
本調査はASEAN各国の交通安全の優良事例や課題を共有・議論することを目的としています。具体的な取組みだけでなく、こうした習慣・文化もASEAN全体で共有し、地域全体でより安全な交通社会が構築されることに貢献できればと思います。【2023年2月】

海外事業本部 伊藤 智洋

関連業務エリア(海外05 公共交通整備/事業運営)

写真:ダッカ市内でプレ開業中のMRT6号線
バスターミナル前の道路を横断する人々
写真:タブレットを活用した家庭訪問調査の様子
世界最大の水上集落、カンポン・アイール

ダッカMRT6号線プレ開業にあわせ沿線住民への家庭訪問調査を実施しました

バングラデシュの首都ダッカでは, 都市鉄道6号線が2022年末にプレ開業しました。
ダッカでは、JICAの技術協力として当社が中心となり策定した都市交通マスタープランに基づいてダッカ市内の都市鉄道の整備に取り組んでおり、今後、円借款により6号線の残り区間、1号線、5号線(北路線)が整備される予定です。この鉄道整備事業に合わせて、JICA研究所は、都市鉄道が沿線住民の社会経済に及ぼすインパクトを検証することとし、当社では、その開業前調査として家庭訪問調査を実施しており、タブレットを活用した調査手法を導入しています。
今後は、鉄道整備前と、開業後2-3年後を比較し、人々の暮らしや交通行動がどのように変わったかを数値化することで, 都市鉄道の整備効果を把握することを想定しています。将来的な都市鉄道ネットワーク整備に向けた検討に活用される予定です。【2023年2月】

関連業務エリア(海外10 調査・研究・評価)

写真:ダッカ市内でプレ開業中のMRT6号線
ダッカ市内でプレ開業中のMRT6号線
写真:タブレットを活用した家庭訪問調査の様子
タブレットを活用した家庭訪問調査の様子